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バタン島に漂流した人がいますが、そこで奴隷にされたようですね。
しかも高齢で働けなくなった者は殺されてしまったとか。
日本人は15人いたのですが、2人が殺されてしまい危機感を覚えると、
島の人を騙して日本への船を仕立てます。
日本からは金銀を持ってくる代わりに、バタンから黒檀を持ち帰りたい、と。
島の人たちは簡単にも騙されて日本人の造船を手伝うのですが、
その作業中に1人の日本人が倒れてきた木に潰されて瀕死の重傷になりました。
彼は死ぬ間際、仲間の船乗りたちに、
「バタン人に世話になったお礼に自分の財産全部を進呈したい」
と語ったので、バタン人は日本人を一層信用してしまいました。
これはすごいパフォーマンスです、仲間たちも感激したことでしょう。
しかしいざ船出という時に、1人の日本人が姿をくらましました。
この人はバタンの裕福な家の娘と結ばれていたので、バタンに残りました。
全く環境は違いますが、若宮丸の中でロシアに残った人と帰国を望んだ人と、
その葛藤に近いものを感じます。
自分だったら、いつ沈むかわからない船に乗って死ぬよりは、
バタンに残るほうを選ぶかもしれない。基本的には臆病そのものなので。
江戸時代の、不本意にも大冒険した人たちの物語は、
生身の人間が迫ってくるようで非常に感動的です。
世界に進出する信長なんて、デジタル画像の顔をして機械的な音で話をする、
過去に生きていた人間の欠片も感じられません。
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